日本信号は2019年9月12日に「東京都交通局より都営大江戸線(40.7Km/38駅)の無線式列車制御システムを全線一括受注いたしました。」*と発表しました。
*日本信号プレスリリース「都営大江戸線無線式列車制御システムを全線一括受注」より引用
日本信号はこれまで「SPARCS」(Simple-structure and high-Performance ATC by Radio Communication System)のブランドで海外で導入実績があり、今回日本国内で東京都が初採用となりました。
東京都議会の公営企業委員会速記録第八号によると、指名競争入札により49億5千万円で日本信号と契約とのことです。なお、もともと2024年度納期となっていたが、新型コロナの影響による半導体の世界的な供給不足により全体工程の遅れが発生しており、2027年度導入に向けて現在は進行しています。
CS-ATCは0/10/15/25/35/40/45/50/60/70キロの速度制限ができ、予告機能もあります。運転台背面には、12-000形には透明ガラスがあり運転席を見ることができたが、12-600形よりCBTCの準備のためか窓そのものが廃止され運転室内部が容易に見られなくなりました。
まず、運転台上部にCBTC用アンテナが2基設置されました。これまでのSPARCSで採用されていたアンテナとは違う四角いタイプです。また、車内への取り付けもこれまでのSPARCSとは異なります(海外では主に屋根上に取り付け)。
CBTCの制御部と思われる機器が運転台背面に取り付けられています。
軌道から車両床面までの距離が短く、また車両そのものも小さいことからCBTC機器がこれまでの床下などに設置できなかったようで、先頭車両の逆エンド側に機器室が設置されました。これに伴い優先席が一部移動しています。車外からは、窓ガラスが該当箇所のみスモークガラスのように見えます。
運転台周りは変更無いように見えます。速度計周りは5キロ刻みで制限速度が表示できるように変わりました。また「入換」と「P接近」表示が新たに追加された一方で、「予告」が廃止されています。
今回新たに「情報表示器」(進路開通情報の表示に使用すると思われる)が設置されました。1~10までの表示に「停止位置」「位置確定」「1番線」~「4番線」(清澄白河用?)が表示できるようになっています。一応スピーカーも付いているので音も出るようです。
続く