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無線式列車制御特集
 

 

~無線式列車制御とは~

 従来の保安装置における信号・制限速度などの情報は、ATS地上子やATC信号など地上装置から列車に取り付けられている車上装置へ送信することで速度超過や信号冒進した際に自動でブレーキがかかるようになっている。これらは主に軌道回路による列車の在線検知や信号機・各種地上子などをケーブルで繋いで伝達しており、特に膨大なケーブルと複雑な設備が必要となる。

 そこで近年、設備のスリム化、これまでの地上装置→車上装置の一方向の情報送信から地上装置=車上装置間の双方向連続転送による安全性の向上、また高度な列車制御や設備老朽化に伴う置き換えコストの削減を目的に無線式列車制御を取り入れようとする動きが加速している。

 日本国内ではJR東日本が2011年10月に仙石線でATACS(Advanced Train Administration and Communications System)を導入、また東京地下鉄や都営地下鉄でもCBTCの導入が予定されているほか、公衆無線網を活用した保安装置の開発なども行われている。

◆国内で採用されている主な無線式列車制御◆

ATACS
 鉄道総合技術研究所のCARAT(Computer And Radio Aided Train control system)をベースに、JR東日本が2011年に仙石線あおば通~東塩釜間に導入した無線式列車制御システム。2017年に埼京線池袋~大宮間にも導入し、今後首都圏でのすべての線区でATACSへの置き換えが予定されている。無線周波数は400MHz帯。
 また、JR西日本が開発を進めている無線式ATCはATACSがベースとなる。
ATS-P(R)
 地方路線向けにJR東日本などが開発・導入した拠点無線式の保安装置。ATS-Pと同等の保安度があり、自前で基地局を整備しつつも無線通信エリアを連動駅周辺に限定している。2020年10月12日に小海線に導入された。

CBTC

 世界で100以上の路線で導入されている無線式列車制御システム。東京メトロ・都営地下鉄が導入を決定しているが、2021年現在、日本国内では営業列車での制御は開始されていない。無線周波数は2.4GHz・5.8GHz。
公衆無線網を活用した
無線式列車制御
 地方路線などで無線式列車制御システムを導入するにあたり、自前で列車制御用無線網を整備するのではなく、一般の公衆無線網を活用して設備等のコストを抑制する試みがある。JR東日本では、GNSSと併用した新たな無線式列車制御システムの開発が進んでいる。

 なお、ヨーロッパではETCS (European Train Control System)があるが、現調が困難であるため割愛する。

◆メニュー◆

日本国内の動き
海外の動き
ATACS
地方路線向け無線式列車制御システム(ATS-P(R))
地方鉄道向け無線式列車制御システムの実証試験について
JRTC-W(和歌山線無線式ATC)
東京メトロCBTC導入について
都営大江戸線CBTC導入について
西武鉄道CBTC導入について
東急電鉄CBTC導入について

参考

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