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無線式列車制御特集
 

~地方鉄道向け無線式列車制御システムの実証試験について~

~地方鉄道向け無線式列車制御システムの実証試験について~

 国土交通省は2019年度より「鉄道技術開発・普及促進制度」を創設しました。これは、「今後我が国では、人口の減少や高齢化により鉄道利用者や働き手が減少し、また鉄道施設の経年劣化も進展します。このため、既存施設の有効活用を図りながら、鉄道の運営や施設の維持管理の効率化・省力化を可能とし、利用者の利便性の向上にも資する鉄道分野での生産性革命を進める必要があります。」※1

 この制度の技術テーマ「(1)地方鉄道向けの無線等を活用した運転保安システムの開発」として、経営の厳しい地方の鉄道事業者も導入できるような無線式列車制御システムの開発について、2019年7月に公募が行われ、その後日本信号に委託調査され、現在開発が進んでいます。

※1:令和元年7月 国土交通省鉄道局技術企画課技術開発室「令和元年度鉄道技術開発・普及促進制度における技術開発業務(新規)提案要領(地方鉄道向けの無線等を活用した運転保安システムの開発)」(https://www.mlit.go.jp/common/001300230.pdf)より抜粋

~大雄山線・地方鉄道向け無線式列車制御システムの実証試験について~

 「鉄道技術開発・普及促進制度」の技術テーマ「(1)地方鉄道向けの無線等を活用した運転保安システムの開発」として、地方鉄道向け無線式列車制御システムの開発が行われており、令和元年度から令和3年度までに地方鉄道向け無線式列車制御システムの仕様書を作成、工場内・現地試験等を踏まえて令和4年度中の実用化を目指しています。

 調査委託を受けた日本信号では、伊豆箱根鉄道大雄山線において2.4GHz帯無線を活用した無線式列車制御の実証試験を予定しています。なお、日本信号のCBTC無線式列車制御システム「SPARCS」との違いは、SPARCSは車両装置と地上装置が全線で常時接続を行っているため、線形に合わせて多くの基地局を整備しなければならないが、今回の試験では、基地局との接続を駅周辺に限定し、駅間は非通信となっている。

 なお、公衆無線サービスを活用することが理想とされているが、前例が無いため、今回の試験では専用回線による制御としている。詳細については下記参考元を確認願います。

~地上設備~

2021年冬頃に相模沼田~和田河原間で、日本信号の「SPARCS」と同じアンテナが取り付けられました。令和3年度の現車試験区間は大雄山~相模沼田間となっていますが、令和4年度には小田原まで現車試験・モニタランが行われることになっているそうです。

 デジタルの無電源地上子も新設されました。国交省資料では「マーカー」と記載されており、絶対位置情報を送信する。

※参考:これまで使用していたATS地上子。

~車上設備~

車両の屋根上にCBTC用アンテナが取り付けられました。が、運転台は2021年10月時点では無線式列車制御システム用と思われる設備が無く、今後改造されるか、可搬式のものが取り付けられるものと考えられます。

参考

更新履歴
 2022年4月10日
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