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デジタル列車無線特集
feature article about Digital train radio system
 

~京浜急行電鉄デジタル無線導入について4~

直通先対応改造について
 京急では2015年7月7日よりデジタル無線との併用を開始していますが、車載器は京急のデジタル無線のみに対応したものとなっていました。
 2021年4月17日に京成電鉄および北総鉄道が、2021年夏~秋頃には都営浅草線でもデジタル無線運用が開始されていますが、2022年11月末時点では各社局とも自社局線内のみでデジタル無線を使用し、乗り入れ先ではアナログIR無線を使用しています。
 2022年11月頃より、京急車でも直通先でのデジタル無線に対応すべく、車載器の改修が始まりました。

改修前(再掲)

 左側の操作盤には識別用の「京急」の文字が、また開始後に右側のデジタル用操作盤の「ハンズフリー応答」が封印されていました。

改修後

 2022年11月頃より都交や京成と同じものへの交換が始めました。なお、2022年11月23日時点では乗り入れ先の無線免許が未だ取得できていないようで、誤ってデジタル無線で設定することがないようにカバーが取り付けられています。また、「ハンズフリー応答」のボタンは使用できるようになった一方で、左側の操作盤の「京急」のボタンが封印されました。
 電源が入っている状態はこんな感じ。上述の「京急」のランプは右側の新設操作盤で点灯するようです。
 スイッチで他者と異なるところ。右下のボタンは「切」となっています。他者局は「IR」なんですが...
 (比較用)上:京成、下:都交
 運転台周りに変化はありませんでした。

直通先デジタル運用開始

 2023年2月中旬頃より「相直SR使用可」とテプラが貼られ、直通先でのデジタル運用が開始されました。全ての車両が一斉スタートしたわけでは無く、一部編成より順次開始されているようです。
 なお、浅草線内は防護発報の仕様が未だ始まっていないらしく、「都交防護発報」部分に×シールが貼られています。

 今後都交・京成などで完全デジタル化移行が完了した場合、左側のアナログ操作盤もカバーが付くのでは無いでしょうか?(非常発報・防護発報釦は今後も使用されると思われます)

識別用の青シールが増えた?
しばらくしてSRでは使用しないボタンは封印されました。

IR無線無し車も登場

 全線SR化が完了した後の2023年夏に登場した1501FではSR無線のみの搭載でデビューしました。特徴的であったIR無線アンテナがありません。
手前の操作盤は非常発報・防護発報専用となり、これまであったIR関連のスイッチ類はありません。
奥側の操作盤にある社局選択ボタンで、下段真ん中が、これまで他同様にボタンであったものが、枠のみ(ダミー)に変わってました。
屋根上はIRアンテナがありません。すっきりしました。
(参考:これまでのIR/SRアンテナ併設の車両)

余談

 前回「3:運用開始について」以降更新していなかった部分を箇条書きで。
 2020年6月頃より車載の携帯型列車無線機が撤去されました。これに代わり、SRに対応した携帯型列車無線機が2016年6月より開始されています。(上:撤去前、下:撤去後)
 2021年に1890形の導入に際して全車でモニタの表示内容が変わりました。運転画面にて、常時非常通報と脱線検知状況が表示されます。
 これらは受報した場合はデジタル無線を介して指令にも通知されるものと思われ、また、脱線検知の場合は自動で防護発報(浅草線内は非常発報も)が送信されるものと思われます。

参考

更新履歴
 2022年11月27日配信
 2023年02月18日内容追加
 2023年09月09日内容追加
 2023年09月17日・23日画像追加

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