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デジタル列車無線特集
feature article about Digital train radio system
 

~東海道新幹線ミリ波方式デジタル無線開発について2~

 2027年にミリ波方式の列車無線を採用することとなっておりますが、2023年頃より地上設備の取り付けが始まりました。

 鉄道と電気技術『東海道新幹線におけるミリ波方式列車無線の開発』によると、約10kmおきに配置されたIDU(InDoor Unit)と呼ばれる地上局に接続されたODU(OutDoor Unit)と呼ばれる地上局無線装置が沿線に平均500m間隔で設置するようです。IDUは変調・復調機能を、ODUはアンテナ機能として使用され、一つのIDUに複数のODUが接続されるようです。
 一方で、車両側は各先頭車両に二台の車上局ODUが設置されるようです。一台当たりの最大転送容量は約500Mbpsで、1号車・16号車両側の車上装置合わせること約1Gbpsの通信を実現させるとのことです。そのため、アンテナは上下両方向に向いています。

 また、ミリ波を使用することによる、特に大雨による減衰対策として、同じ信号を繰り返し複数回にわたって送信し受信側で足し合わせる「豪雨モード」が開発されています(時間ダイバーシチと考えられる)。これにより、通信容量は減るものの、通信不能という事態が起きないように対策が取られています。
 なお、東海道新幹線は時間雨量60mmで運転を見合わせることになっており、2000年の東海豪雨では時間当たり最大97.0mmの雨を記録しています。

 余談ですが、現行のデジタル列車無線において、LCXが列車の風圧により内部の金属導体に亀裂が入り通信不能が発生することもあるようで、その保守にもかなり苦労していることからもミリ波方式への移行は急務のようであります。

参考

更新履歴
 2024年1月21日配信
 2024年1月28日画像追加・修正

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