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デジタル列車無線特集
feature article about Digital train radio system
 

~小田急電鉄デジタル無線導入について~

 小田急電鉄は、2012年4月27日リリースの鉄道事業設備投資計画において、デジタル列車無線の導入を発表した。
 小田急は本線の小田原線へ支線の江ノ島線・多摩線、さらに東京メトロ千代田線が直通するような運行となっており、また車両運用や列車両数の関係などからダイヤ乱れの際には車両位置検知システム(東芝製)を用いて列車の所在把握をしているのが現状がある。これは位置検知には車両につけられたGPSを、通信には公衆パケット通信網を利用し、司令の指示によって乗務員が乗務員室にある装置をすることで起動させることで列車情報を収集している。
 しかし、同じようなシステムを導入しているJR西日本(列車在線位置監視システム、近鉄車両エンジニアリング)では相当な通信費がかかっているもようで相当悩んでいるという文献があり、小田急についても同様ではないかと考えられる。JR東日本(三菱)ではデジタル列車無線のアプリケーションを活用し、列車情報(発信時刻、列車番号、編成番号、営業キロ程など)を周期的に列車情報収集サーバに送っており、通信費はかかっていない(ただ、初期投資がかなりかかっていると思われる)ほか、乗務員の操作を不要としている。
 現在首都圏の私鉄各線が使っている列車無線はNECがほとんどであるが、小田急電鉄で今回導入されるデジタル列車無線がどこのメーカのシステムかはまだ不明である(2012年9月末NEC製を換装しているのを確認)。しかし複雑な鉄道各社の相互直通で列車所在地や会社・編成番号・列車両数や種別などを会社を越えて収集する必要性がこれから多くなりそうであり、今回小田急が導入するデジタル列車無線のメーカ・システムが今後首都圏の私鉄の基本となると思われる。
 小田急のデジタル列車無線の使用開始時期はまだ不明であるが、移動局設置が今年度からであり、今後の動向に注目したい。
※2017年5月14日初電よりデジタル無線の運用開始。
小田急電鉄デジタル無線導入について2換装車両登場

参考

更新履歴
 2012年05月20日配信
 2017年05月15日更新
 2019年04月01日再編

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