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デジタル列車無線特集
feature article about Digital train radio system
 

~デジタル列車無線システム共通仕様書について~

 一般社団法人日本鉄道電気技術協会の協会誌「鉄道と電気技術」において「デジタル列車無線システム共通仕様書」についての記述がありました。本仕様書は関東鉄道協会所管で、"異なる鉄道事業者間で相互直通運転を行う際、列車に搭載する車上局装置(ハードウェア)を共通化することを目的として策定"(*1)されている。  本仕様書に基づく本格的なデジタル列車無線導入は小田急が初めてである。
※1:鉄道と電気技術 「講座 デジタル列車無線(7)~公民鉄道デジタル方式列車無線(その2)~」
 主要諸元では、変調方式:π/4シフトQPSK、通信方式:FDMA、チャンネル数:4(制御・データ回線×1、通信・データ回線×3)となっていて、伝送速度は9.6kbpsである(ちなみに、携帯電話事業者の3Gの通信規格は最大42Mbps、LTEでは150Mbps、5Gでは10~20Gbpsと言われている)。但し、一部各社で機能の違いがある模様である。
 小田急の場合、チャンネルは4ch(通信チャンネル3ch+制御通信チャンネル1ch)であり、一斉・個別通話及びデータ転送が1ゾーン辺り最大3通信できるという。
 また、乗務員が「防護確認」項目をタッチすると制御チャンネルを介して指令所運行表示盤の防護受信列車番号表示が赤く変化する(防護発報している列車は赤色点滅)。これにより運転再開指示までの時間が短縮したという。
 一方東京メトロの場合、日立国際電気製無線システムでは通信回線×2、制御・データ回線×1とし、残り1回線はSCPC方式保守無線システムになっている。本システムは列車無線システムから独立しているが、音声・データ同時転送機能を有し、携帯無線機による非常発報・防護発報をすることが可能である。乗務員の携行についても触れられており、今後乗務員や駅員が携行する可能性もある。
デジタル列車無線チャンネル表示一覧
会社名 路線名 NEC
ch表示
日立
ch表示
小田急 (全線) (デジ)d
(アナ)a
 
東急 東横線
目黒線
00 00
田園都市線
大井町線
01  
多摩川線
池上線
02  
東武 東上線 10  
本線
(伊勢崎・日光線系統)
11  
野田線 12  
西武 池袋線系統 20  
新宿線系統 21  
 メトロ 日比谷線 33  
千代田線 36 36
 有楽町・副都心線 (IR)30
(D-SR)37
37
半蔵門線 38  
南北線   39
IR (無し)  
埼玉高速鉄道 埼玉高速線   01
東京都 新宿線 10  
三田線(本線)    61
三田線(車庫)   60
京王 本線 80  

参考

更新履歴
 2017年12月27日配信
 2018年11月03日更新
 2019年04月01日再編
 2019年08月18日更新

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