北陸トンネルでのデジタル無線運用(非常通報限定)開始について
さて、京阪神地区の列車無線デジタル化については公式発表などで広く知られているが、金沢支社管内北陸線北陸トンネルでもデジタル無線機能の活用した連絡設備の運用開始が開始された。
JR西日本では非常通報ボタンが扱われた場合、原則その場で停車し安全確認を行うこととなっているが、トンネル内や橋梁などでは安全な場所まで走り続けることとなっている。北陸トンネルは長さ13,870mあり、通過に普通列車では約8分かかる。ワンマン運転の場合運転士が走行しながら旅客と通話することができず、一方で旅客の通報を無視するわけにもいかないため、乗務員に代わって指令が非常通報を受ける。
北陸トンネルは金沢支社管内金沢輸送指令の管轄になるため、JR西日本では京阪神以外の初の採用となる。
北陸トンネルは金沢支社管内金沢輸送指令の管轄になるため、JR西日本では京阪神以外の初の採用となる。
運用開始日は、ワンマン運転が開始された2017年3月4日と思われる。
北陸トンネル内での運用イメージ
なお、521系の運転台に備え付けられている列車無線は、湖西線乗り入れ不可のG・J編成はアナログB/Cタイプ(限定付き)列車無線、湖西線乗り入れのE編成はデジタルA/C/Dタイプ列車無線が設置されている。
521系運転台
アナログB/Cタイプ列車無線機
運転台に取り付けられているダイバシティアンテナ。
非常通報器。他形式と変わらず。
→JR西日本デジタル無線導入について6列番設定器の使用開始について
参考
- 日本鉄道サイバネティクス協議会>ソフトウェア定義無線を活用したデジタル列車無線の開発と実用化
- JREA>特集 信号・運行管理・ICT>JR西日本におけるデジタル列車無線の導入
(http://www.jrea.or.jp/search/?p=132097) - JREA>関西支部活動>関西支部活動 REA関西 第35号(電子版) 2017年1月
(http://www.rail-e.or.jp/modules/office/index.php?content_id=19) - 鉄道と電気技術(2017年10月):JR西日本 東海道・山陽本線列車無線デジタル化について
- 三菱電機技報(2018年6月):在来線デジタル列車無線システム : 西日本旅客鉄道(株)京阪神エリアへの導入
(https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1806107.pdf)