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特集1
Special Report No.1
 

営団半蔵門線押上延長・東武線-営団半蔵門線直通運転開始

はじめに

 営団地下鉄半蔵門線は平成15年3月19日に水天宮前-押上間が開通、同時に東急田園都市線・営団半蔵門線・東武伊勢崎線と直通運転(中央林間-南栗橋)を開始した。今回の特集は「祝・押上延長」ということで開通前・開通後について説明する。

一、開業前準備

1,試運転
 昨年に開通した水天宮前・押上間は営団08系を中心とした試運転が行われた。東武30000系も10両で水天宮前にやってきた。08系・30000系は押上→水天宮前、水天宮前の渋谷方のポイントでA線に入線。折り返し押上へ回送する。東急車両は水天宮前まで営業運転を行い、いったん乗客を降ろした後清澄白河まで回送する。水天宮前に到着した10時47分から一部を除いたすべての列車が新線に回送した。30000系は試運転終了後北千住始発の区間準急として南栗橋まで走った。 また、東武線でATS受信確認・慣らし運転等を実施。東急線では2月19日までの初電・終電時刻に試運転があった。

2,水天宮前の着発番線変更、および一部列車の時刻変更
 試運転に伴い一部の列車で着発番線変更、発車時刻が1~2分繰り上げで発車をした。なお、三越前で時間調整を行うため、そのほかの駅では時刻通りに運転をした。

3,東急以外の乗り入れ列車について
 営団車両は全車が対応済み。東武車も乗り入れ列車を30000系に限定することで対応している。営団地下鉄8000系は昨年より順次改造を行い、方向幕のLED化・東武ATS設置工事などをして現在はすべての車が対応となった。また同時に放送が自動放送化(東急線内を除く)した。 東武は現在も新車製造を行っており万全の体制となっている。

4,東急の乗り入れ列車について
 東急は8500系の一部の廃車と入れ換えに5000系が導入され、東武線の乗り入れの対応をした。8500系は現在も乗り入れ対応車と非乗り入れ対応車(全面に○Kシールが張られている)が発生している。方向幕字幕車は側面の行き先表示に英語が表記、LED車はフォントが明朝体からゴシック体に変わった。また、2000系は昨年11月に東武非乗り入れ改造をした。東武ATSが準備(ATC切替スイッチより)がされているものの、方向幕は現行のものに新4駅が付け加えられているにとどまった。8590系は押上延長そのものに対応しておらず、東横線に戻ったのではないかと考えられる(現に8595Fは東横線に復帰)。5000系は工場出場時から対応済みである。

5,発車案内装置について
 営団の各駅には従来のB線用に加え、A線用が新たに設置された(3月上旬より使用開始。)。時刻表示には白色LEDが使用、種別表示にはフルカラーLEDが使用されていた。また、全線で案内表示が従来の表示(左から発車順又は発車時刻、種別、行き先)から発車順、行き先、種別と変更した。 東急でも順次発車案内装置が設置・変更されている。長津田駅では従来の表示器から全線で使用されている表示機に変更。一部駅にある停車駅表示案内器は渋谷までになっていた。東武は曳舟駅で新設が確認された。

6,路線図交換
 東急線は3月より駅で交換を開始、前日まで仮の時刻表で案内していた。3社停車駅案内は東武線内直通区間の全駅を表示、車内には東京地下鉄路線図が掲示された。また営団地下鉄では押上延長に伴う路線図変更となった。3社停車駅案内は停車駅全駅のみ表示していた。東武線は直通区間の駅名表示が小さくなったため新たに直通用路線図が設置されていた。

7,放送変更
 東急線では「営団半蔵門線(直通開始後に東武伊勢崎線)直通」という放送に。営団では内容は特に変更内が一部の駅で少々変更となっている。東武では直通前では変更がなかったが直通開始後に「営団半蔵門線直通」の放送が入った。

試運転中の営団08系。 
水天宮前にて
東急からの営業車は水天宮前で旅客を降車させた後、清澄白河まで試運転を兼ねて回送。

水天宮前にて
試運転中の東武30000系。 
曳舟にて
試運転中の営団08系。 
小菅にて
変更前の発車標。 
長津田にて
新設されたの発車標。 
水天宮前にて

二、開通後

1,ダイヤ改正要項
 営団半蔵門線は渋谷-清澄白河間が日中5分おき(改正前は6分おき)に変更。朝ラッシュ時は東急-半蔵門間は2分15秒おき、半蔵門-清澄白河間が3分おき、清澄白河-押上間は4分35おきになる。日中の東武線乗り入れは20分おきとなっている。そのうち1本は南栗橋行き/始発、残り2本は東武動物公園行き/始発のそれぞれ東武線内区間準急である。清澄白河止まり/始発と押上発着の割合は1:2となった。東急線内の日中は急行が毎時4本と増えた。これによって急行待避なしが無くなった。また日中の長津田行きも無くなった。  相互直通運転をしている上下合わせた列車本数は東急-営団が平日508本、休日386本となっているのに対し、東武-営団は平日141本、休日は131本にとどまる。 東武線との直通運転については原則的に3社が交代で車両を運転しているが東急:営団:東武の車両使用比70:32:40である。なお東武車両は東急線-営団線内運転があるため東急線・半蔵門線内だけをみると東武車両が結構多い。

2,東武線停車駅変更
 東武線の区間準急は改正後から北千住-押上間延長運転、牛田・堀切・鐘ヶ淵・東向島が通過となった。また、今回のダイヤ改正から「通勤準急」が新設され新越谷までは区間準急と同じ駅に停車し、北越谷から東武動物公園までは準急と同じ駅に、東武動物公園からは各駅に停車する。

3,列車ヘッドマーク提示
 直通開始後一部の編成を除いて「祝、相互直通運転開始」のシールが全面に提示された。(一週間ぐらいではがした。)

4,利用状況
 開通後当初は開通区間に乗ってみたいという乗客が多いが今後は会社員・学生等が多く利用すると考える。北千住駅の混雑が減り半蔵門線で都内に抜ける人が多くなるとも思われる。ただ、パスネットの場合は最短料金が徴収するため東武にとってはちょっときついものである。

開業当日の東急5000系
たまプラーザにて
押上駅の路線図
東武発車標。曳舟にて
掲出された相互直通運転記念ステッカー

~最後に~

今回の開通によって多摩田園都市から日光・鬼怒川温泉などの行楽地への旅行が便利になりました。 また、3月29日・30日には「3社直通運転記念号」が運転されるなど今後のイベントも気になるところです。

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