従来の保安装置における信号・制限速度などの情報は、ATS地上子やATC信号など地上装置から列車に取り付けられている車上装置へ送信することで速度超過や信号冒進した際に自動でブレーキがかかるようになっている。これらは主に軌道回路による列車の在線検知や信号機・各種地上子などをケーブルで繋いで伝達しており、特に膨大なケーブルと複雑な設備が必要となる。
そこで近年、設備のスリム化、これまでの地上装置→車上装置の一方向の情報送信から地上装置=車上装置間の双方向連続転送による安全性の向上、また高度な列車制御や設備老朽化に伴う置き換えコストの削減を目的に無線式列車制御を取り入れようとする動きが加速している。
日本国内ではJR東日本が2011年10月に仙石線でATACS(Advanced Train Administration and Communications System)を導入、また東京地下鉄や都営地下鉄でもCBTCの導入が予定されているほか、公衆無線網を活用した保安装置の開発なども行われている。
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